「お薬のかわりに精油を」という言葉に出合うとモヤっとします。
特にその言葉が、難病を患っている方のためのお薬を減らすために精油を使うということだとなおさらです。
かつて私も精油の薬理作用を知った時に「精油で対処できるならそっちの方がいいじゃん!」と思ってしまったことがあります。
そして「メディカルアロマ」という言葉を安易に使っていた時期もありました。
精油の可能性を知っていくと盲目になってしまうこともあります。
ですが学びを進めていくと薬には薬の精油には精油の役割があることを認識します。
精油は医療の分野には入っていけませんし入れません。
先日、ある難病を持つ父親に某メーカーの精油を使ったら症状が改善してお薬を減らすことができたというInstagramの投稿を目にしました。
その投稿を読んで私は恐ろしくなり静かな怒りが込み上げてきてしまいました。
というのは私の母もその投稿者の父親と同じ病気だからです。
その病気は治ることがない病気です。
一生付き合っていかなければいけない病気です。
ですがお薬によって進行を遅らせたり症状を緩和することができています。
おかげで寝たきりということはなく自分の足で歩くことができますし簡単な家事もできたりしています。
私は母がこの病気を発症した時に「精油でなんとかならないかな?」とは1ミリたりとも思いませんでした。
そんな難病に精油が使えるエビデンスもないですし、あったとしても私は医療従事者でもありませんし、精油はそもそも医薬品ではなく雑貨です。
しっかりと専門の医師に診てもらいお薬を処方してもらうのが正しいと思います。
もしそこに精油を取り入れるならば、ちょっと気持ちをラクにしてあげるために香らせる程度です。
それも本人が望めば、の話ですが。
精油に頼りたくなる気持ちもわかりますが精油とお薬は得意分野が違います。
なぜそこに精油を使おうと思うのか?
精油で本当に対処できるのか?
精油以外に選択肢はないのか?
どうかお薬のかわりに精油を使うという選択をする前に一度立ち止まって考えて欲しいです。
精油をどのように使ったら私たちも精油も喜ぶのか。
私も常に考えていきたいと思っています。
脱アロマ迷子・アロマテラピーレッスン
精油の可能性や精油の役割について学んでいきます。