今年からスタートした「脱アロマ迷子アロマテラピーレッスン」では「精油の体内動態」について学びます。
精油を安全に適切に使って欲しいという願いからちょっと難しい部分ではありますがお伝えしています。
タイトルにある「精油の経皮吸収」ですが、私たちはこう学んできました。
「精油は分子量が小さく脂溶性なため容易に皮膚に吸収される」(吸収=血液中に入り体内を循環する状態になること)
この文章だけ読むと「全ての精油は皮膚に塗ると血中に入り体内を循環するんだ」と思ってしまいますね。私はそうでした。
レッスンでもお伝えしていますが、皮膚に塗布してもそう簡単には吸収されません。そもそも私たちの皮膚は「防御作用」という大切な役目を持った臓器です。
そう簡単に外からのものを体内に入れてしまっては大変なことになってしまいます。
皮膚からの吸収は様々な要因によって吸収されたりされなかったりします。(これはレッスン内で詳しくお伝えしていますので割愛します)
それからお風呂に精油を希釈すると経皮吸収されると思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、熱いお湯に精油を入れると、おそらくそのほとんどは揮発してしまっています。浴室がいい香りで満たされるということは空気中に揮発しているということになりますから。
ちょっと立ち止まって考えてみたいなと思うのは「何のために精油を皮膚塗布するのか?」ということです。
目的を考え、その目的を達成するために精油の濃度はどの程度にするのか、希釈する基材は何にするのか?ということも考えなければなりません。
「精油の経皮吸収」を私たちは簡単に単純に考えてしまいがちですが一度立ち止まって考えてみたいことですね。
そして3年ほど前にアロマ専門誌でこんな記述を見つけました。
「匂い受容体は嗅上皮以外の様々な細胞や組織および器官(精子細胞、精巣、心臓、腎臓、皮膚、消化器系)に発現している」
というものです。
皮膚にサンダルウッドに対する匂いレセプターが発現していることがわかっていて、この匂いレセプターが活性化されると皮膚にできた傷の治りが高まるのではないかと考えられているのだそうです。
まだ諸々研究途中らしいのですが、これらがわかってくると、精油の皮膚塗布は経皮吸収させる使い方ではなく匂いレセプターを活性化させる使い方に変わってくるかもしれませんね。
そう学んできたからそう教わってきたからでいると精油の可能性を知らないままで終わってしまいます。
常に情報を更新して新しいことをお伝えできるようにしていきたいと思う今日この頃です。
脱アロマ迷子アロマテラピーレッスンでは新しい情報を常にお伝えしています。